風邪の日
美月が風邪をひいた。
最近寒暖の差が激しく、風邪が流行していた。
きっとどこかでうつって来たのだろう。
腹痛と微熱がある。
消化の良いものを食べさせる。
お粥とデザートにリンゴだ。
ベットに寝かせ、布団をかける。
部屋を出ようとすると
美月がグッとボクの手を握ってきた。
辛いにもかかわらず、笑っていた。
「こうしてると、ずっと病院に居た時を思い出すね」
「そうだな。考えてみればずっとそうだったもんなぁ」
「昔みたいに傍に居て。お願い」
寂しがりやな性格は健康になっても
治っていない。
「わかった。でもお喋りは無しだぞ」
「うん」
10分もしないうちに美月が寝息を立てていた。
ボクもこの光景にちょっと懐かしさを感じていた。
でも二度と病院通いなんてしたくない。
健康でいるのが一番だ。
by nanase-kana
| 2008-11-06 09:07
| 回想